今月15日から17日にかけて、引退競走馬たちによる乗馬・馬術大会「RRC(Retired Racehorse Cup)ファイナル大会」が開催。オリンピック・パラリンピックも行われた東京都世田谷区のJRA馬事公苑で熱戦を繰り広げた。

 RRCは2018年にスタート。日本において、乗馬・馬術競技は従来から引退競走馬の活躍の場であったが、世間への認知度は低かった。そこでなじみ深い競走馬の引退後の活躍を、より広く紹介することの一環として競技会を行っている。
 
 今回は3日間で3競技を実施。総エントリー数671の中から頂点を決める戦いに加え、JRAでも実績を残した馬たちが大会に参加することもあり、現地には多くのファンが詰めかけた。

 総合馬術競技はレッドヴィエント、馬場馬術競技はヒロノグレイ、障害馬術競技はリノ・カノアがそれぞれ優勝。18年有馬記念覇者ブラストワンピースは馬場馬術に出場して11位に。同馬は現役時代重賞5勝を挙げ、引退後は乗馬に転向していた。

 競技委員長である細野茂之氏は「今年リニューアルされた馬事公苑の世界最高峰のグランドコンディションで、3種目のファイナルを行うことができ良かったです」とコメント。馬場についてはオランダから取り寄せた砂で、水分量や硬度、深さを常にチェックしているといい、「オリンピックを開催できる、いわば世界一を決める基準を持つ場所で、引退競走馬が競技をできることはとても良いことだと思います」と話した。

 今大会は多くのファンが見守った。同氏は「競馬場のように開門前や朝早くから応援に来てくださった方々がたくさんいらっしゃった。引退してもこうして会いに来てくださる競馬ファンの熱い気持ちが伝わりました」と感謝の気持ちを述べた。